<最近注目を集める、スペイン人のアルフレッド・オリバ・デルガード(59歳)。一般的な日常の光景を撮った写真だが、そこには彼の職業的アイデンティティーと彼自身の性格が映し出されている>

審美性と内面的な心理の投影は、写真にとって極めて大切な要素だ。ドキュメンタリーからファインアートまで、多くの作品にその傾向が見られる。題材の美が一般的であろうがなかろうが、投影される心理が個人的なものであろうが公的なものであろうが、多くの写真家がこの2つの要素を作品の核の1つにしている。

今回取り上げるスペイン人のアルフレッド・オリバ・デルガード(59歳)も、その1人だ。ここ最近注目を集めてきているが、プロの写真家ではない。スペインのセビリア大学の心理学教授である。

デルガードの作品は、特別なシーンを切り取っているわけではない。仕事を外れて彼が旅先で遭遇した、見ようと思えば誰もが出くわせるだろう一般的な日常が大半だ。街角でふと目にした人々、市場、お祭りなどの光景である。ただ、そこに彼独自の審美性と心理的なメタファーを織り交ぜている。

構図が巧みである。ほぼ常にシンプルさが漂っている。1つの写真の中にさまざまな要素が存在していたとしても、それぞれをうまく絡ませながら、イメージ全体を1つの塊として構成している。同時に、光と色が巧みに操られ、うまく分離し、見る者に心地よい安定感とインパクトをもたらしている。

内向的で鬱的な一面を持つ