だが、それだけであればすぐに興味は削がれるだろう。さらに魅力を与えているのが、作品の色使いと、各々のイメージの中でメインの被写体となっている人物とのコントラストだ。色使いは、極めてカラフルで刺激的でさえある。一方、人物は――1人であろうが複数であろうが――ほぼ常に孤独感が漂っている。それが時にどこかダークな感じさえ生み出しているのである。
2つの要素は相反しているが、同時にエチオピアの現実でもある。前者の"色彩"は、高地にあるアディスアベバで突き刺すように降り注ぐ太陽の光とストリートのマーケットにあるカラフルなオブジェクトをイメージさせる。
そして後者の"人物"は、マーケットの行商人たち、あるいは労働者である。その大半は貧困の中で暮らしている人々だ。それどころか、つい最近まで、歴史と大国の思惑の中で家族が翻弄されてきたような人々。そうした現実は、写真1点1点に相反するコントラスト的な要因を含ませることによって、いっそう浮き上がってくるのである。
実際、「Moving Shadows」のShdows とは被写体である労働者たちのことだ。ベルマは彼らについて、「日々の生活の中で影のように暮らしている」「彼らの困難な仕事はもっと尊敬され、光が当てられるべきだ」と話す。これこそが作品のメインコンセプトであり、そのために強烈な光と色彩が使われているのである。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Girma Berta @gboxcreative
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