障がい者自身が限界を作らざるを得ない不幸、それを排除すべく、自分が大統領の特権を有している間は障がい者やその家族に「寄り添いその障がいを取り除くのに日々尽力する」とし、大統領の任期が終わっても推し進めるつもりだとしてスピーチを締めくくっています。
ADAを皮切りにして、各国は障がい者差別をなくす様々な法律を制定してきました。翻って我が国ですが、2006年に国連で採択された障害者権利条約を批准が参議院本会議で承認されたのはなんと2013年12月になってから。既に140か国近くが批准済みであったにも関わらず、日本が大幅に遅れたのは、国際条約の求める水準となる「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の制定など、国内法改正を先行させる必要があったため。前回ILO条約の日本の批准率に触れましたが、国内法の不在で批准できていない状況は相通じるものがあります。
先進国でありながらも、障がい者しかり、女性しかり、非正規雇用者しかり、社会的弱者への配慮が国際基準からは10年単位で遅れているのが日本、との現状認識は事態の改善のためにもまずは必要でしょう。自助はもちろんのこと、共助や公助によるほんの少しのサポートがあれば障がい者も生きやすい社会になるわけで、弱者に開かれた=多様性を重視した政策・制度、それを当然と受け止める国民の意識、それが経済力も含めた本質的な意味での強い国家の根幹を築くことに繋がるはずです。