米テレビドラマ界は新シーズンが始まってまだ間もないが、さっそく物議を醸しているのが高校生の青春ミュージカルコメディー『Glee グリー』。合唱部の冴えない高校生たちが主人公の人気シリーズだが、今回話題を呼んでいるのはドラマの内容ではなく、ドラマのキャスト3人が高校生の姿でセクシーショットを披露したGQの11月号の特集だ。

 合唱部の風変わりな歌姫レイチェルを演じるリア・ミッシェルと、元チアリーダーのクイン役を務めるディアナ・アグロンが、下着姿でアメをなめながら学校のロッカーにしなだれかかったり、チアリーダー風の際どいポーズをとるなど、刺激的な写真がずらり掲載されている。


 これに激怒したのが、子供が見るテレビ番組を監視する市民団体「親たちのテレビ評議会」。「大人の男性向け雑誌のGQがGleeの高校生役を演じる女優をこんな風に描くなんて不快だ」と、ティム・ウィンター会長は語っている。「エンターテインメント業界では若い女性が性的に描かれすぎる、これがまさにその最新例だ」


 確かに、学校で人気者の男子生徒フィン役のコーリー・モンテースと女性2人が絡んだ写真は女性蔑視的と捉えることもできる(個人的には、構図自体がかなり古くさいことのほうが気になる。もうちょっと何とかならなかったのだろうか......)。

 それにしても、親たちのテレビ評議会の物言いはどこかおかしくない? 現実には、ミッシェルとアグロンは24歳、モンテースは28歳。高校生役を演じているからといって、雑誌上や他のメディアでの露出の仕方を制限される理由はない。GQ側もそう思ったらしく、「保護者テレビ審議会は現実とファンタジーを分けて考えることを学ぶべき。彼ら(特集に出た役者たち)は、もう自分たちの意思で行動できる立派な大人だ」とコメントを出している。


 一方、せっかく過激な撮影に挑んだのに集中砲火を浴びたアグロンは、自らのブログでこんな謝罪を表明した。

「これまでも既成概念の枠に挑戦した人はいる。(でも)あの写真のせいで傷ついたり、不快な思いをした人がいるなら、そんなことになるなんて私たちは考えもしなかった。ごめんなさい。もしGQの表紙を手にした8歳の子供がいるのなら、その子にもごめんなさい」

 しかし、それだけでは終わらず、こう続けた。

「......でも、そもそもどうしてGQがその子の手に渡ったの? 私はもう24歳。誰も完璧じゃないし、あの写真は本当の私とは違う。あれは全部、私たちが演じるキャラクターなんだから。私が幸運にもめぐりあった、大好きでクレイジーな仕事のためにね」

 今回の騒ぎで誰よりも器の大きさを見せつけたのは、番組の舞台となる高校でチアリーディング部の冷徹な女コーチ役を演じるジェーン・リンチ(50)。生徒たちの過激な写真を批判するどころか、「ちょっと私も負けてらんないわ」とばかりに、米女性誌MOREの11月号でこんな爆笑写真を披露した。

『Glee』ファンの若者には、是非こんな余裕のある、面白い大人をめざしてほしいものです。


――編集部・佐伯直美

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