<戦争による増税に中小企業家が抵抗。「友好国」中国への資源流出も新たな火種に>


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中小企業経営者たちの悲鳴
中国との協力関係のはざまで

ロシアでは最近、こんなショート動画が出回った。老人が訴えている。「今、薬局に行くのは宝石店に行くようなものだ。薬があまりに高すぎる。飲んだ翌日にトイレに行って出すのがもったいないくらいだ」

これはもちろんジョークだが、背景にある医薬品の高騰は少しも笑い事ではない。そもそも外国産に多くを依存しているロシアの医薬品の値上がりや品薄は深刻で、インシュリン、各種ワクチン、降圧薬、抗鬱剤、抗てんかん薬などが手に入りづらくなっている。わらにもすがる思いでインターネットで安い薬品を購入したところ、偽物をつかまされて命を落としたというケースも報道されている。

言うまでもなく、医薬品に対する需要は高齢者のほうが高い。プーチン政権は主要な支持層である高齢者らの健康をないがしろにせざるを得ない状況になっているのだ。

フォーブス誌のロシア版の記事によれば、「(ロシア国内の)2025年の医薬品価格の平均上昇率は7~11%だが、一部の治療分野ではその2倍に達しており、ホルモン剤、抗癌剤、抗感染症薬は最大22%上昇した」という。国の重要医薬品リストに入っている薬品については、インフレ率を超える価格の上昇は政策によって抑えられているというが、ロシア語のニュースメディアRTVIが910人の医師を対象に行ったアンケートによれば、ロシアの医師の約78.5%が特定の薬品が不足していると答えている。その種類は400種以上に及ぶという。

患者だけでなく、医療関係者にかかる負担も大きい。予算がウクライナ戦線に優先的に配分されるため、医療従事者に対する給料未払いが頻繁に起きた。また病院によっては、戦地での負傷者を受け入れるため、一般の入院患者を拒否せねばならない事態になっている。その結果、いら立った医療関係者が公共の空間で大っぴらにプーチン政権を批判するといった事態も起きている。

中小企業経営者たちの悲鳴