「自殺の理由は正確には分からない。ただし明確な勤務規定がなく、上官からの心理的プレッシャーもあるなかで、兵士たちにとって非常に困難な状況が続いていたのは確かだ。長い間家族に会えず、粗末な食事で不潔な環境にいると極度にストレスが増す。戦争とはそういうものだ」

ヘルソンにいたクリスマスから話を聞いていた人がいた。マリウポリの教会で牧師をしていたセルゲイ・コジルコフ(44)だ。電話越しに届く彼の悩みは切実だったと言う。

「『私は戦いに参加し、人を殺した。最初のときは眠れなかった』と彼は言った。そして、『戦争は終わるのか? 終わらない。ロシアは私たちを放っておくのか? 放っておかない』と自問を続けた。私は彼を説得しようとしたが、彼は『考えてみる』と言っただけだった。そして、彼が銃で頭を撃ったことを知った。彼の心は壊れていたんだ」

軍から支給された武器を使い、任務中に兵士自ら命を絶つ事件はどれくらい発生しているのか。昨年6月、リマンに駐屯する従軍牧師のミコラにインタビューを申し込んだ。ミコラは「タカシはまるでFSB(ロシア連邦保安庁)のようだな」と牽制しながら、こう話し始めた。

「そのようなケースは数多くあった。しかし、もし今、その全てが明るみに出たらウクライナ軍にとって不利な証拠をさらすことになる。軍の機関も決して公表しない。誹謗中傷を受けるからだ」

軍服は「敗退」のシンボルに