ガーランドとメンドーサは兵士をまともに紹介しようともしない。主眼が人間性の考察ではなく、部隊が1つのユニットとしていかに機能するかを描くことにあるからだ。
見えてこない兵士の素顔
冒頭、若い兵士たちが兵舎で小さなテレビの前に群がり、アダルトビデオまがいのエアロビクスを見ている。
露出の多いレオタード姿の女たちがただ腰をくねらす動画に喝采を送っていた男たちに、出動命令が下る。8人が要衝ラマディの住宅地に赴き、地域の監視所に指定された人家を占拠することになる。
イラク人の斥候2人(ハイダー・アリ、ネイサン・アルタイ)が家に住む家族をたたき起こし、全員を2階の1室に集める。
窓から通りを監視するありふれた任務はしかし、敵に手榴弾を投げ込まれた瞬間に暗転。すさまじい奇襲をかけられて1人が死亡し、狙撃手のエリオット(ドラマ『SHOGUN 将軍』のコスモ・ジャービス)とサム(ジョセフ・クイン)が重傷を負う。
正視に堪えないほど大写しにされる傷口からどくどくと血を流し、セリフらしいセリフもなく苦悶の叫びを上げ続けるだけなので、2人の性格や過去は一切分からない。
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