<確認埋蔵量は世界最大を誇っても、インフラは老朽化し原油の質は悪い、米石油大手は本当にベネズエラに投資する?>


▼目次
確認可採埋蔵量は世界最大だが
ベネズエラ産原油のメリットは

ドナルド・トランプ米大統領が「並外れた軍事作戦」と自画自賛したベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束は最初の一手にすぎない。エネルギー覇権を目指すトランプは、これを皮切りに大攻勢を開始する構えだ。

マドゥロを拘束したのは「麻薬テロ」への関与が疑われたからだ――仮にそんな口実が使われたとしても、トランプ自身が作戦決行直後の記者会見でそれをあっさり吹き飛ばしてみせた。

会見早々トランプの口を突いて出たのは「オイル」という言葉。1月3日未明のマドゥロ拘束とその前段階、さらには今後ベネズエラをどう「運営」するかについての、まだ固まっていない方針を説明する20分ほどの談話で、トランプは都合7回もこの言葉を連発した。

「わが国の巨大な石油会社、世界最大の会社が現地に行き、何十億ドルもの資金を投じてボロボロのインフラ、石油インフラを立て直し、ベネズエラのためにカネを稼ぎ始める」と、トランプは語った。

翌日エアフォースワンで移動中にも記者団に対し、軍事作戦の「前と後に」米石油大手の幹部と話し合ったと明かし、ベネズエラには近々「石油会社がインフラ再生のための巨額の投資」をすると保証した。

米石油大手が何らかの公式発表を行うのを待たずに、トランプは矢継ぎ早に「成果」を発表している。ベネズエラはアメリカに市場価格で20億ドル超の価値がある最大5000万バレルの原油を「引き渡す」というのだ。

だがノルウェーの調査会社ライスタッド・エナジーによれば、トランプが構想するような形でベネズエラのエネルギー部門を再生するには推定1830億ドルの資金が必要だ。

それだけのカネがどこから出るのか。米石油大手は再開発に乗り出そうと「うずうずしている」とトランプは言うが、今のところ各社とも慎重に推移を見守っているようだ。

今もベネズエラで操業を続けている唯一の米石油大手シェブロンは本誌の問い合わせに対し、当面は「従業員の安全と福利、わが社の有形資産の保全」に注力すると述べた。

一方、コノコフィリップスは「ベネズエラの今後の状況とそれがグローバルなエネルギー供給と安定性に及ぼし得る影響を見守りたい」と述べ、こう付け加えた。「将来の事業活動なり投資について公式発表を行うのは時期尚早だろう」

確認可採埋蔵量は世界最大だが