<日本将棋連盟は、世界チェス連盟の「チェスマム」プロジェクトのようなさらなる女性支援策を打ち出すことができるか>

妊娠は、2人のプレーヤーの関係が不公正なゲームと言える。男性は、大ざっぱに言えば15~60歳くらいの間のいつでも父親になることができ、それにより肉体的なダメージを負うこともない。

一方、女性が母親になれる期間はそれよりずっと短く、しかも妊娠期間は約40週間続く。

若い時期に肉体とキャリアのピークがやって来るアスリートの世界では、こうした男女の不均衡がとりわけ重大な意味を持つ。そこで、多くのスポーツ統括団体は、女性アスリートの妊娠・出産とキャリアを支援するための取り組みを行っている。

ところが、日本将棋連盟の行動は、それとは逆を行くものだった。昨年4月に定めた規定により、女流棋士の出産予定日前6週から出産後8週までの期間とタイトル戦の日程が重なる場合、対局者を変更すると定めたのだ。

事実上の不戦敗を定めた規定であり、妊娠中の女性の苦労に追い打ちをかける扱いと言わざるを得ない。

これに対し、女流棋士の第一人者である福間香奈女流六冠が昨年12月、日本将棋連盟に規定の見直しを要望し、記者会見を開催。程なく、連盟は厳しい批判を浴びて、当該の規定を削除すると発表した。

昨年6月には、清水市代が女性として初めて日本将棋連盟の会長に就任し、さっそうとカメラの前に登場した。女性のトップが誕生すれば女性の処遇が改善すると期待したくもなるが、清水は就任以来、この点に関して目立った行動を取ってこなかった。

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