国際原子力機関(IAEA)理事会は20日、イランが濃縮ウランの貯蔵や空爆を受けた核施設の現状を速やかに報告すべきだとする決議を採択した。非公開会合に出席した外交筋が明らかにした。米国と英国、フランス、ドイツが決議案を提出。賛成が19、棄権は12で、反対はロシアと中国、ニジェールの3カ国。
イランは依然、イスラエルと米国が今年6月に空爆した核施設への査察を許可していない。ロイターが閲覧した決議案には「イランは国内の核物質と保障措置下にある核施設に関する正確な情報を速やかにIAEAに提供し、検証に必要なあらゆるアクセスを認めなければならない」と記載されていた。IAEAはイランが貯蔵する濃縮ウランの検証が「大幅に遅れている」とし、「緊急に」対処すべきだと主張している。IAEAの推定によると、イランは空爆が始まった6月13日時点で、濃縮度が最大60%の高濃縮ウランを440.9キロ保有。濃縮度を高めれば10発の核爆弾を製造できる量に相当するという。 西側諸国ではこれほどの高濃縮は民生用としての説明ができないと主張、IAEAも「深刻な懸念」を表明している。
一方、イランは核開発が平和的な目的だと主張しており、決議案の提出前に、可決されればIAEAとの協力に「悪影響を及ぼす」と警告。イランは採決を受け、9月にIAEAと結んだ査察再開に向けた合意の破棄を正式通告した。イランは10月、この合意が無効だと表明していた。
[ロイター]

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