ハーレツ紙の別のコラムニストのリンダ・ダヤンが指摘したように、イスラエルの極右は他国の主張を理解しようとしたり、自分たちと異なる思想の持ち主と対話しようとしたりする姿勢を「エリートの贅沢」と切り捨て、大衆の支持をつかもうとしてきた。
実際、アラブ国家に取り囲まれたイスラエルの人々は常に「孤立無援」の状況下に置かれてきた。彼らは自分たちの手で自分たちの国と宗教を守らねばならないと肝に銘じている。
こうした気概に支えられて、イスラエルは経済大国になり、勝ち目のない戦争で何度も奇跡の勝利を果たしてきた。
とはいえ、こうした政治的、経済的、軍事的な勝利は、外国勢、特にアメリカの寛大な支援なしには達成できなかっただろう。
ネタニヤフは今、政治家だけでなく外国の大勢の市民まで、頼りになる援軍を丸ごと積極的かつ意図的に敵に回している。
イスラエル南部にはヘブライ語で「要塞」を意味するマサダという遺跡がある。紀元1世紀に大勢のユダヤ人が古代ローマの軍勢に抵抗してここに立てこもったと伝えられている。孤立を恐れず、帝国の侵略に抗して最後まで戦い抜いたユダヤの民──ネタニヤフはこの物語が好きらしい。
ただし、マサダの戦いではユダヤ勢は敗北し、最後まで残った人々は降伏を拒んで集団自決をした。この究極の教訓を忘れてはいけない。
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