コツは「重要度も緊急度も低い話=雑談と冗談」からスタートして、重要度が高くて緊急度が低い話に持っていくことです。本書では雑談・冗談→相談の進め方を「三談論法の法則」と名づけました。

私自身、話すのが得意なタイプではありません。だからこそ「聞くこと」を大切にしています。相手がぽろっと言ってくれたことを深掘りしていくと、徐々にビジネスの話に発展したりしますから。

相手はどう思っているのか。どんなことをしたいのか。何をして成功したのか、あるいは失敗したのか。こうした問いへの答えが見つかっていないなら、どんどん質問して引き出していきましょう。

「優秀な人に仕事が集中」問題を解決するには?

──どの組織でも優秀な人に仕事が集中しがちだと思います。任せ方の観点から、こういった組織やマネジャーへのアドバイスをいただけますか。

どうしてもパフォーマンスや評判によって仕事量の偏りが出てきてしまいますよね。

過去の経験から言うと、ただ優秀な人ではなく、意欲がある人や適性がある人に任せるのがおすすめです。

優秀な人はきっと、どんな仕事を依頼しても高いパフォーマンスを上げてくれるでしょう。でもあえて、ずば抜けて優秀ではなくても、意欲や適性がある人にチャレンジングな仕事を任せてみるのです。思いきって任せてみると、相手はどんどん成長していくはずです。

──同様に、ポジティブに受け入れてくれる人に仕事が集中し、仕事への姿勢がネガティブな人、やる気が見えない人には仕事を任せにくい......ということもありそうです。

そうですね。その場合は、やる気がない人はなぜやる気がないのか、その原因を探ってみるといいと思います。

本書では「モチベーションを下げる原因10パターン」として、「やりたい仕事ではない」「向いている仕事ではない」「期待されていない」などを挙げ、原因ごとの対応策を提案しました。

また、やる気がないように見える人は、単純に他の仕事が忙しすぎるだけかもしれません。その場合はサポート役をつけるという対応も考えられるでしょう。

単純に仕事の楽しさを実感していない人には、仕事を思いっきり楽しんでいる人と一緒のチームにして、仕事の楽しさを知ってもらってはどうでしょう。成功体験ができると、のびのび働いてくれるようになるかもしれません。

やる気がある人が増えると、そのやる気は組織の中に伝染していきます。逆に、やる気のない人がいると、そのやる気のなさが増殖し、組織の雰囲気が悪化するもの。一人ずつ、やる気を伝染させていくといいのではないでしょうか。

任せるコツが役立つのはビジネスの現場だけではない
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