<年齢要件が緩和され、ジョコ現大統領のかつての対抗馬プラボウォ国防相が、ジョコの長男を副大統領候補に選んだ。そして、国内で非難が巻き起こった>

インドネシア憲法裁判所のアンワル・ウスマン長官は11月7日、正副大統領選候補者の年齢要件を緩和した決定をめぐり「重大な違反」があったとして、同裁判所の倫理評議会から辞職を命じられた。

問題とされたのは、アンワルがジョコ現大統領の義弟という立場にありながら、来年2月14日に予定されている正副大統領選へのジョコの長男出馬に道を開いた10月16日の審理を辞退しなかったことだ。

ロイター通信によれば、評議会は「(アンワルが)辞退しなかったことは裁判官の倫理規定に抵触する」と認定。「外部からの介入の余地を作り」、「(司法の)独立の原則に違反した」と判断した。

10月に憲法裁が下した法的判断は、40歳以上という正副大統領候補の年齢制限に例外を設け、選挙で地方自治体のトップに選ばれた経験があれば出馬が認められるとした。この決定はジョコの長男ギブラン・ラカブミン・ラカ(36)のための救済措置との見方が大勢を占めている。

ギブランは2020年、かつて父親も務めたソロ(スラカルタ)市長に当選しており、この決定後に大統領選出馬を表明しているプラボウォ国防相の副大統領候補となることが発表された。

大統領選への影響は?

この判断は国内で大きな波紋を呼び、ジョコは息子のために影響力を行使し、来年の退任後も権力を維持する気だという非難が巻き起こった。

政治活動家や法律の専門家は、政治的動機に基づく判断だとして訴えを起こした。特にアンワルについては、利益相反が疑われる過去の裁判では審理を辞退したのに、今回はそれをしなかったことが問題視された。

3人のメンバーからなる倫理評議会は、アンワルを長官職から解任したものの、一定の条件下で憲法裁にとどまることは認めた(利益相反を考慮して選挙絡みの判決に参加することは禁止)。多くの訴状が求めた10月16日の法的判断の破棄に対しては、評議会には裁判所の決定を覆す権限はないと、ジムリー・アシディキ議長は主張した。

大統領選へのギブラン参入が選挙戦にどのような影響を与えるかはまだ分からない。2014年と2019年の大統領選でジョコに敗れたプラボウォは、ギブランをパートナーに選んだことで、今も根強いジョコ人気にあやかれる可能性がある。

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ジョコは「非エリート」だから人気だったのに
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