私がある日、居酒屋で素晴らしいジョークを飛ばして「はい、座布団一枚」と相手に言われたとき、それは私が知っていた褒め言葉としての使い方ではなく、実は私の駄目なダジャレに対する嫌みの反応だった。

あの「座布団一枚」に込められたひねりのニュアンスまでも伝えたものは、まさにテレビの力による共通認識だろう。特定の番組の話題ではなくても、テレビを観ずに育った子供は、学校の休み時間や、大人になってからのパーティー会場で同じような目に遭うかもしれない(息子はインターナショナルスクールに通っており、幸いにも今のところ、そうした経験は少ないようだ)。

でも、心強いニュースもある。最近の調査によれば、日本人の10~20代の半数はテレビをほとんど観ない。となれば、もうテレビを観ていなくても社会ののけ者になる心配はないし、むしろテレビを観ない人同士で会話が弾みそうだ。

NW_Tony_Laszlo.jpgトニー・ラズロ

TONY LÁSZLÓ

1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
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