普段は働かないがいざというときは命がけで縄張りを守る

ろくでもないヒモ男みたいな印象であるが、ライオンのオスはオスで、群れを守るために日々神経をすり減らしている。縄張りを絶えずパトロールし、群れを狙う侵入者があれば威嚇してすみやかに追いやる。

それでも相手が向かってきたら、売られた喧嘩は必ず買わなければならない。それが群れを支配するオスの使命だからだ。縄張りを主張する手段は、基本的に尿や糞などでニオイをつけること(マーキング)で成り立つ。

メスにとっても、群れを乗っ取られたら、自分の子どもたちも皆殺しにされてしまう。安心して子育てするためには、普段ごくつぶしのオスであっても、強ければ「まあ仕方がないか」といった感じなのだろう。

ネコ科でライオンだけが群れを作るのはなぜか

そもそも、ネコ科動物の中で唯一ライオンだけが群れで暮らす理由は、①狩りをするときに集団のほうが有利なため、②群れを乗っ取ろうとするよそ者のオスから子どもを守るため、と説明されることが多い。

しかし、動物学者ジョナサン・スコットらの調査では、この2つの説に疑問が投げかけられた。まず①については、集団でも狩りの成功率は高くなかったうえ、成功したとしても多数で分け合うと各配分は限られてしまうため、メリットが少なくなる。

②の説では、単独で暮らすトラやヒョウも、よそ者のオスが子どもを殺す習性があるため、この2つの説によってライオンが群れをつくる理由にはならないと結論づけられた。

そこで注目されたのが、縄張りの"地の利"である。同調査によると、28のライオンの群れを観察した結果、水や食料が最も手に入りやすい場所を縄張りにしている群れが、最も繁殖率が高かったという成果である。

つまり、健康第一な繁殖に適した場所を守るために、リーダーオスを中心にライオンは群れで暮らす習性を身につけたのではないかということらしい。

メスの欲求に応えられないオスなんて用無し

オスがその群れを守っている反面、やはりライオンにおいても、交尾の主導権はメスが掌握している。メスが誘えばオスは絶対に断れない。

ライオンの交尾は数秒で終わるが、陰茎のトゲはメスの膣を傷つけることもあるので、陰茎を引き抜くときに、メスはその痛みのために甲高い鳴き声をあげることもある。加えて交尾中、オスはメスの首筋を噛んで抑え込むことも多く、メスにとってはただただつらい行為のようにも見える。それでも、交尾を終えると、メスは再び同じオスまたは別のオスと交尾を繰り返し、妊娠を確実なものとする。

メスはメス同士で子育てをするために同時期に出産する場合が多い。ということは、子どもの自立時期も重なる。育児中は決して発情しないメスだが、子どもたちが自立すると、ほぼ同じ時期に発情を開始する。発情したメスたちは、オスの顔にお尻を近づけてニオイを嗅がせて交尾に誘う。

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寝る時間もなく交尾を求められるオス