<子供向けコンテンツながらチャンネル登録者4500万人、祖国の文化をアピールする中央アジアの「新しいソフトパワー」に政府も注目?>

キルギスの音楽グループ「Dビリオンズ」が5月末にYouTubeに投稿した8本の動画は、約1週間で300万回近い再生回数を記録した。コンテンツは子供向けが中心。

「ググ・ガガ(ベイビー・モンキーズ・ストーリーズ)」「ズーム・ズーム・ズーム・ビノキュラーズ」といったタイトルの動画はアート性が高いとは言えないかもしれないが、キルギスのソフトパワーの潜在力を物語る。

2019年8月に最初の動画「レフト! ライト!」を投稿したDビリオンズは、瞬く間に成功を収めた。

21年9月にはキルギスのYouTubeチャンネルとして初めて、登録者数1000万人を突破した証しである「ダイヤモンド再生ボタン」を獲得。今やBTSやテイラー・スウィフトより多い約316億回の総再生回数を誇る。

色鮮やかなウィッグをかぶったメンバーは4人。パーマヘアの男性3人、チッキー、チャチャ、ブーム・ブームと、ピンクのロングヘアの女性、リャ・リャだ。

コンセプトを考えたエルネスト・ウメタリーブは、16年にアルマズベク・アタムバエフ大統領(当時)のラブソングのアルバムでサウンドエンジニアリングを担当するなど、音楽界でのキャリアが長い。

4人のメンバーも、キルギスの音楽とダンスの世界では名の知れたアーティストだ。

アスコ・アナルクロフ(チャチャ)とジャニーベック・「ジョニー」・ジェニシュベコフ(ブーム・ブーム)は、ウメタリーブのレコードレーベルで作品を手がけている。

忘れられたキルギス語

実績のあるアーティストが奇抜な子供向けコンテンツに興じるのは、妙に思えるかもしれない。

しかし、DビリオンズのPR担当マネジャーで自身も有名な歌手のチョルパンエイ・ケンジェクロバは4月にラジオのインタビューで、メンバーは「これらの役をどう演じればいいか、すぐに理解した」と語っている。

YouTubeの英語版チャンネルは、Dビリオンズにとって最大のヒットだ。グループで15のチャンネルを開設しており、登録者は総計4500万人。

ロシア語、アラビア語、インドネシア語、スペイン語、日本語、韓国語、そして最新のものはキルギス語など、さまざまな言語で展開している。

キルギス語のチャンネルを新たに加えても収益が増えることはないだろうと、ウメタリーブは考えていた。

しかしDビリオンズのチームにとっては、キルギス語で曲を書いて演奏することが重要だった。

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