チャールズを見ていて私が思い出すのは、あるフィクションの登場人物たちのことだ。それは、私だけの印象ではない。ジャーナリストのトム・マクテーグは、チャールズのことを「ホビット・キング」と呼んでいる。

J・R・R・トールキンのファンタジー大作『指輪物語』シリーズに登場するホビット族を連想させる、というわけだ。

ホビットのサムとフロドは冒険を終えて故郷のホビット庄に戻ると、世界のどこよりもホビット庄が一番だと実感する。田舎の素朴な暮らし、環境に優しい生活、伝統的な建築、有機農業を愛するチャールズは、どこかホビットに似たところがある。

イギリスの知識人たちはこうした嗜好を、視野が狭く、ことによると人種差別的と見なすことが多い。しかしトールキンが描いた牧歌的な世界へのノスタルジアを抱く人は、世界中のあらゆる層にいる。

出版社がチャールズを本当に子供たちの人気者にしたければ、自宅の丸い木の扉の前に腰を下ろし、パイプをふかしながら、大きな毛むくじゃらの足を前に投げ出す姿を描いたほうが効果的なのかもしれない。

©2023 The Slate Group

 『国王チャールズ3世

  Jen Arena[著] Monique Dong [イラスト]

  Golden Books[刊]

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