<規律の引き締めをめざすロシア軍は、軍規違反の兵士を罰するため中世以来の原始的な手法を使い始めた。ゲラシモフ参謀総長になって特にその傾向が顕著だ>

ロシア軍が兵士の軍規違反の取り締まりに、中世に使われていた「即席の独房」に幽閉する手法を利用していることが明らかになった。

ここ数カ月、ロシアの指揮官は「軍規に違反した兵士たちを罰するために『ジンダン』に閉じ込めるというやり方を始めたようだ」と、イギリス国防省は4月30日に発表した。「ジンダン」とは「地面に穴を掘って金属の格子で蓋をした即席の独房」だと説明している。


(写真はイメージです)

「泥酔したり、軍との雇用契約を解除しようとする兵士の懲罰としてジンタンが使用されている」と、英国防省はツイッターに投稿した。

このジンダンは以前、旧ロシア帝国の一部で使用されていたという。20世紀初頭に中央アジアの一部で使われていたことを示す写真や、それ以前も数世紀に渡って使われていたことを匂わせる証言も残っている。

ロシア軍の軍規違反に対する方針は、ウクライナ戦争の初期に比べて、大きく変化していると、イギリス政府は述べている。戦争が始まったころは「軍規を強制する手法もそれほど厳しくなかった」。だが、2022年の秋に軍の姿勢が変化した。

当時、ロシア軍は戦争の最初の数カ月で獲得したウクライナの領土の一部を手放し、撤退することを余儀なくされていた。

規律改善めざして厳罰化

2022年の終わりごろから、ロシア軍の司令官は「軍の規律を改善するために、厳格な複数の取り組み」を導入したと、英国防省は述べている。

特にロシア軍のバレリー・ゲラシモフ参謀総長がウクライナ侵攻の総司令官に就任して以来、この傾向は顕著になったという。

ゲラシモフが総司令官に就任したのは今年1月中旬、ロシア軍幹部の改造が行われたときのことだ。

ワシントンのシンクタンク戦争研究所(ISW)は同月11日、ゲラシモフが総司令官に任命されたことは、新年早々「ロシアの指揮統制を改善する」ことを意図していると思われる、と指摘した。だが同時に、その仕事は困難を極めるだろうと予想していた。

最近、この「ジンダン」に収監されたロシア兵を見たという報告がネット上に出回っている。

ロシアの独立系メディア「アストラ」がメッセージアプリ「テレグラム」のチャンネルで公開したある報告では、ロシア南西部サラトフ地方の兵士たちがアルコール摂取で「ジンダン」に入れられたとされている。兵士たちは、第99連隊の偵察部隊に所属しているらしい。

動画のなかである兵士は「今日、誤解があって、私たちは穴に入れられた」と訴えたと、アストラは報じた。ただし、本誌は動画の信憑性を独自に検証することはできなかった。

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