内定率のデータはあまりないが、超優秀な学生しか入学できないグランゼコール(高等専門学校)でも、20年の内定率は57.4%にすぎなかった。その面では日本のほうがましだろう。
ただ個人的に心配なのは、就活のスケジュールが細かく決まっているせいで、「僕は遅い。いつ内定が出るだろうか」「友人はもう内々定をもらったが、私はまだだ」と学生がものすごいストレスを感じてしまうリスクがあることだ。これについてはマスコミと政府の責任が重い。年に数回、就職内定率を報道することが、学生たちへのプレッシャーになっていないか。重要なのは早く内定をもらうことよりも、本当に自分にマッチした企業に出合えるかどうかだ。
自分のペースで就職活動ができればメリットもあると思う。例えば「ワーキング・ホリデー」の制度を利用し、外国でさまざまな経験を重ねてからなら、もっと自分がやりたいことが分かるかもしれない。急いで決めれば早く安心できる一方で、間違った道を選んでしまうリスクも大きいのではないか。
西村カリンKARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。
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