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ペ・ドゥナ(左)演じる刑事は当初、「ブローカーはとんでもない悪人で、母親も無責任」と考えているが © 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

──『そして父になる』や『万引き家族』に重なる作品だと思う。いわゆる「普通の家族」と違う家族を撮り続ける理由は?

家族を描くと決めているわけではなくて、自然とそういうトピックが自分の中に残り、形になっているが、理由を聞かれると......。そう見えるだろうなとは思いますけど、自分では家族を撮り続けている感覚はそんなにない。

血縁以外のものでつながることは繰り返し描いているが、今回はどちらかというと「命というものをどう考えるか」が中心にあった。家族に「閉じていく」のではなく、赤ん坊に関わった人が彼の今後をどう支えていくかに「開いていく」話だと思う。

──母親役のイ・ジウンさんがとてもよかった。韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』を見て、役をオファーしたそうだが。

あのドラマの存在を教えてくれたのは、長年組んでいるカメラマンの山崎裕さん。彼もコロナ禍で韓流ドラマにはまったらしいが、『マイ・ディア・ミスター』の最終回に、映画『誰も知らない』の話を登場人物がするシーンがあるよと教えてくれて。それに「イ・ジウンが本当に素晴らしい」と言うので、観始めたら僕もはまっちゃんたんです。

全ての韓国ドラマが面白いわけではないし、ちょっとやり過ぎなところもある。その中で、ジウンさんの抑えた芝居は非常に印象に残った。

──ソン・ガンホさんは?

とにかく一緒にいて楽しい人。現場の雰囲気は彼が決めていく感じだった。自分自身に求める基準が高く、絶対に妥協しない。「監督の作品なので監督の判断を尊重します」と繰り返し言いながら、自分のシーンに関しては、僕が使っているテイクじゃないテイクをぜひ「見直してくれ」と。やんわりとですが(笑)。

編集も最後まで付き合ってくれて、例えば「自分のセリフを長く使っているところがあるが、あれは途中で切ったほうが余韻が出ると思う」とか、この場面はアフレコしたものを同時録音に戻したほうがいいとか、いろいろとアドバイスをくれた。

──話は変わるが、主宰する事務所の所属監督に女性が多いのには理由が?

3年に1回、監督を募集している。200人ほど応募があって審査で30人くらいに絞って面接をし、1人か2人採用する。応募者数は男女でそんなに変わらないが、残る30人のうち28人くらいが女性なんです。僕らはどこかの医学部と違って、男性にげたを履かせたりはしない(笑)。結果的に女性が増えている。

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