マックスの周囲のエリートたちは侵攻でさまざまな不便を強いられているが、それは反体制活動に直結する類の不満ではない。

「スポティファイやネットフリックスが配信する音楽やドラマを楽しめなくなったのは残念だ。スニーカーや電子機器などは大幅に値上がりした。輸入ビールもね。旅行にも出かけにくくなった。今も運航している国際線は限られているし、遠回りのルートになり、乗り継ぎに時間がかかるからだ。それから、将来に備えて稼いだ金を投資していた人たちは、計画が狂って頭を抱えている。いつ元の生活に戻れるか見通しがつかず、不安なのはみんな同じだ」

マックスも彼の友人知人のほとんどは戦争に反対だが、それを口に出すことはないという。

「戦争が長引くにつれ、みんなその話題を避けるようになった。戦争疲れで、暗い話はしたくないんだ。音楽やテレビ番組や将来のプラン、軽い話なら何でもいいが、ウクライナの状況には誰も触れたがらない」

少なくとも、それがロシアに残った人々の態度だ。

「ウクライナで起きていることが許せないなら、ロシアを出るしかない。それが僕らの置かれた状況だ」

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