「ロシア産の代替は不可能」
バイデン政権は昨年末から対ロ制裁がヨーロッパに及ぼす供給ショッックを緩和する方策を探ってきた。
アメリカの液化天然ガス(LNG)をタンカーで輸送する、世界有数のガス輸出国カタールにヨーロッパ向け輸出を増やすよう要請するなどだ。
だが専門家によれば、ロシアがヨーロッパ向けのガス輸送を止めた場合、そんな手段ではとても穴埋めできない。LNG輸出の大半は既存の契約に縛られているからだ。
カタールのエネルギー相は22日、ロシアのヨーロッパ向けガス供給を完全に代替することは、どの国にも「ほぼ不可能」だと述べた。カタールがヨーロッパ向けに回せるLNGは自国の輸出量の10~15%程度だという。
今後は戦況激化に伴い、世界全体が商品市況の高騰に見舞われるだろうが、特にヨーロッパは未曽有のエネルギー不足に直面しかねない。
「ロシアのエネルギー部門に対する西側の制裁であれ、ロシアの報復措置であれ、ヨーロッパの人々はわれわれ以上に大きな損失を被る」と、米シンクタンク・ブルッキングス研究所のサマンサ・グロスは言う。
「短期的には、ヨーロッパは非常に厳しい痛手を受けるだろう」
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