アメリカで5年ごとに更新されている食生活のガイドラインについて、2015年に科学者の専門委員会が、「健康とサステナビリティー」のために肉食を減らすことを推奨するよう提言した。

しかし、業界のロビイストが動いて農務省にガイドラインの修正を約束させたと、ネスルは言う。

「店などが食事を提供する量を制限する、広告やマーケティングに規制を課す、連邦政府の補助金政策を変えて健康的な食品を入手しやすくするなど、できることはいくらでもある。ただし、何を試みても食品業界と対決することになる。誰もそんなことはしたくない。食品業界はとても強力なのだ。彼らと戦おうと口にした途端に、『おせっかいな国家主権主義』と非難される」

政治家の考えを変えるには、時間と研究と世論の圧力が必要なのかもしれない。今のところ最も期待されている解決策は、より健康的な製品に対する消費者の需要を喚起することだ。

実際、多くの食品会社は、食生活に配慮した健康的な製品が求められていることを認識している。

超加工食品が食べすぎや体重増加を誘発する理由については、栄養学でも熱心に議論されている。

タフツ大学のモザファリアンは「栄養について、国を挙げた野心的な取り組みが必要になっている」と語る。「私たちは食生活に関連する病気の海で溺れている」

「超加工食品が有害な影響を引き起こすメカニズムをもっとよく理解し、国民の健康を改善するための具体的な政策や改善点を模索しなければならない」と、NIHのホールは言う。

ホールは、同じくらいおいしい加工食品と非加工食品を使って、「おいしいからたくさん食べる」のではないことを確かめるための対照実験を計画している。

新しい結果から私たちの理解が深まり、行動に結び付くことを期待したい。

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