日本人の弁護士に話を聞いたところ、「弁護士の間でも捜査機関のリークは大変問題になっていて、諸外国の制度を調べたいと思っている。日本はほとんどルールがないし、処罰された例がないので......」と言っていた。

私も記者としてリークをもらうことはある。ただそれを利用して記事を書く前に、見極めるべき重要なことがある。まず、このリークが正確なものかどうかを別の人に再確認できるか。不可能なら、報道するかどうかをさらに慎重に判断する。判断するためには、なぜそのリークをもらえたのかを考えないといけない。

つまり、リークした人にとっては何かメリットがあるのではないか、自分は記者として利用されていないかということだ。最後に、リーク報道によって誰かが傷つくリスクを考える。もし事実でなければ、その人にとっては大変なことになる。

リークする警察官には意図がある。「逮捕された人は犯罪者だ」と知らしめることだ。記者は、それが事実と違う可能性もあると報じるべきだろう。

magTokyoEye_Nishimura.jpg西村カリン

KARYN NISHIMURA

1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。

<本誌2020年11月3日号掲載>

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