アークライトとパシフィックを経営するのは、L.A.に本社を持つデキィリオン社。同社は「膨大な努力をし、すべての可能性を探りましたが、ここから抜け出せる道は見つかりませんでした」と声明を発表している。だが、同社は、倒産も、会社更生法の申請もしておらず、どのような事情でこの最終的な決断に至ったのかは、定かでない。映画館の再開が許された後にも、メジャースタジオが5月の予定だった「ブラック・ウィドウ」「フリーガイ」などの公開をさらに延期し、本格的に人が戻ってくるにはまだ数ヶ月待たなければいけなくなったことも関係しているかもしれない。

セレブ、映画監督が映画館を惜しむツイート

この悲しいニュースを受けて、ソーシャルメディアには、セレブリティから一般人まで多くの人々のコメントが飛び交った。イライジャ・ウッドは「この知らせを飲み込むことができない。すごくがっかりしている」とツイート。ライアン・ジョンソン監督は「アークライトで働く人たちは全員が映画を愛していた。それが感じられた」とツイートした。エドガー・ライト監督は「アークライトとパシフィック・シアターにはすばらしい思い出がある。でも、過去形で語りたくない。まだお悔やみ記事は書きたくない。救うために、何ができるかと考えている」とツイートしている。それらを見た一般人の間からは、「あなたたちのようなセレブがお金を出すべきだ」との声も上がった。

歴史あるシネラマドームの将来を不安がる声も強い。しかし、1963年に建てられたシネラマドームは、1998年に歴史文化建造物の認定を受けており、そう簡単に壊すことができないのが、せめてもの安心材料だ。それでも、形だけ残して、映画館ではない、何か別の用途として生まれ変わらせられる可能性はある。そうなってしまうと、もうあそこで映画は見られない。

お気に入りの映画館で映画を見ることは、コロナ前にはごく当たり前のことだった。コロナ禍でそれが奪われる可能性は感じていたが、実際に起こると、それは思っていたよりずっと心が痛むことだったのである。配信で映画を見ることにすっかり慣れても、やはり映画館で見るのは別の体験だったのだ。今、L.A.では、多くの人たちが、それぞれの映画館で見た名作を心の中で思い出している。これらの映画館を救ってくれるスーパーヒーローがどこかからやってきてくれないかと願いつつ。

'Sad To See It Go': ArcLight Cinemas, Pacific Theatres Closing Permanently Due To Pandemic Losses