製造のボトルネック

イタリアの病院は、医療スタッフの人手不足だけでなく、人工呼吸器その他の設備の深刻な不足にも悩まされている。イタリア国防省の広報担当者によれば、シアレで陸軍の技術者が働き始めてから最初の製品は、28日から出荷が始まるはずだという。

またイタリア政府は、3月上旬に入札で発注した人工呼吸器その他の設備を4000―5000台近く購入した。ドイツでは、感染拡大が始まる前に各病院が約2万台の人工呼吸器を保有していたが、連邦政府はドレーゲルベルクに1万台を発注した。これは同社による通常の年間生産台数に匹敵する。ドイツの医療機器メーカーであるレーベンスタイン・メディカル・イノベーションのフランス支社長を務めるクリストフ・ヘンツェ氏がラジオ「フランス・インフォ」で語ったところでは、フランスにおける人工呼吸器への需要は、通常は年間約1000―1500台だが、現在では週に数百台まで増加している。

英国の保健相は、「英国は手に入る限り、できるだけ多くの人工呼吸器を必要としている」と語った。

だが、国境を閉鎖する国、あるいは医療用品の在庫を確保するための措置を取る国もあるなかで、人工呼吸器のパーツを確保することも難しくなる可能性がある。

ハミルトン・メディカルのウィーランドCEOによれば、同社はルーマニアで人工呼吸器用ホースを製造しているが、「重要な医療機器である可能性」を理由として、ここ数週間、ルーマニア当局によって出荷が止められていたという。ウィーランドCEOは、ルーマニアの税関当局に輸出を認めさせるためには、同国駐在のスイス領事館による介入が必要だったと話す。

「こうした製品が、それ自体としてはルーマニアにとって価値のないものであることを知ってもらうためには、政治的な働きかけに頼らざるをえなかった」とウィーランドCEOは言う。

スイス外務省の広報担当者は「在ブカレスト大使がルーマニア当局に連絡したことが功を奏して、事態を打開できた」と話す。ルーマニア当局者にもコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。

中国の医療機器メーカー、北京誼安医療で調達担当ディレクターを務めるワン・スー氏によれば、同社は人工呼吸器の製造に欠かせないバルブやタービンといった主要コンポーネントを、スイスや米国、オランダといった国々からの輸入に頼っているという。だがグローバルに感染が拡大するなかで、世界各国にわたる供給元企業でも、必要なコンポーネントを作るための基本的な部品の一部が調達困難となる状況が生じている。

自動車メーカーまで動員