しかしFBニュースでは、記事全文を報道メディアの自社サイトに移動して読むことも可能になった。そしてメディア側は掲載料を受け取れる。ニューヨーク・タイムズ(NYT)やFOXニュースといった有力媒体であれば、100万ドル単位の金額になるという。従来は否定的だったNYTも、FBニュースならプラットフォームと既存メディアの「休戦」が可能だと評価している。

今後はプラットフォーム経由で広告料を稼ぐだけでなく、彼らから直接(助成金や掲載料の形で)稼ぐことができるわけだ。しかし「これで生き残れるとは限らない」と警戒する報道メディアもある。

業界を取り巻く昨今の動きを、伝統メディアの復権と言うのはまだ早い。両者の力関係は、報道メディア側のビジネスモデルと記事の質に懸かっている。それ次第では存続も危うくなるだろう。ある大手メディア企業の関係者は言う。

「オンライン事業の刷新にも読者層の拡大にも、定期購読者の獲得にもプラットフォーム企業の資金は役に立つ。それは事実だが、素直には喜べない。結局彼らに振り回されっ放しじゃないか」

From Columbia Journalism Review

<2019年12月17日号「進撃のYahoo!」特集より>

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12月17日号(12月10日発売)は「進撃のYahoo!」特集。ニュース産業の破壊者か救世主か――。メディアから記事を集めて配信し、無料のニュース帝国をつくり上げた「巨人」Yahoo!の功罪を問う。[PLUS]米メディア業界で今起きていること。
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ネット上の情報流通を支配するプラットフォーム企業が、ここまで深く広くジャーナリズムの仕事に影響力を行使するようになるとは、3年前には誰も想像もできなかっただろう。しかし今や、彼らは自ら独自のニュースを発信するだけでなく、既存の報道メディアの生態系を支える役目も果たしている。