ちなみに韓は最近になって、台湾の首都を移転させようと提案している。地方部の有権者はそれを聞いて、ついに自分たちも権力の中枢に入れると感じている。むなしい空手形だが、有権者のハートをつかむ効果はありそうだ。

そもそもこの男の人気は政策と関係ない。1日の集会で事実上の出馬宣言をしたとはいえ、大陸との関係に関する自分の立場を大まかに表明し、台湾に富と幸せをもたらしたいという希望を口にしただけで、それ以上は言っていない。

韓をドナルド・トランプになぞらえるのは間違いだ。韓は(少なくとも今のところは)政敵に食ってかかるタイプではないし、極右でもない(もともと台湾には左派と右派の対立という構図がない)。しかし彼が台湾版ポピュリストであることは間違いない。だからこそ有権者を惑わせつつも魅了し、民主的な手続きを経てここまで来た。さて、この先は?

From thediplomat.com

<本誌2019年6月18日号掲載>

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