一転して外国の情報提供を否定、火消しへ
外国政府の盗聴情報提供を半ば認めていた大統領府のパネロ報道官も7日になって「外国政府による盗聴記録はリスト作成に使用していない」と発言、事実上訂正するなど軌道修正に一斉に動きだした。
これは名指しされた4カ国の政府関係者からの不満や国内からの反発が予想以上に強かったことを鑑みて、公表に先立ちリストの妥当性と合法性を確実にするため、「違法な手段で入手した情報に基づくリストではない」ことを強調するためではないか、との観測が広がっている。
さらにパネロ報道官が「国際社会と共に犯罪と戦う共同戦線のなかで提供された情報」と表明したことに関しても、「フィリピンの政治家に対する海外からの電話盗聴は、フィリピン政府からの要請あるいは情報提供なしには実施されるはずがないのではないか」という国会議員や人権組織の指摘が政府の立場をさらに難しいものに追い込みかねないとの判断から、一斉に「外国政府による電話盗聴」を火消しにと方針転換したとみられている。
拙速な手法に疑心暗鬼が拡大
地元紙記者は「外国政府を持ち出すことでリストの客観性を強調しようとした政府が、逆に批判を浴びてリストの正当性に疑問が生じてしまった、という拙速なやり方だ」と政府を厳しく批判している。
ドゥテルテ大統領としては、政府部内でリストの正当性がある程度確保された時点で、一刻も早くリストを公表し、立候補している麻薬汚染政治家の実名を公にしたい意向とされ、公表を巡る議論はいよいよ最終局面を迎えている。
フィリピン政界は選挙戦の最中、このリストを巡って今、大きく揺れている。というのも公表されるリストに自分の名前が記載されていた場合、その政治家は麻薬犯罪との関連の真偽やその妥当性とは別に一方的に政治生命を絶たれ、場合によっては逮捕される可能性が高いとみられているからだ。政治家たちの間に渦巻く疑心暗鬼の中で、リスト公表を巡る必死の駆け引きがさらに激しくなっている。

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