SNSで議論に

6月下旬に中国の交流サイト(SNS)「微博(ウェイボ)」では「ベッドを共有するなんて理解を超えた苦行だ」というハッシュタグの閲覧数が1400万回を突破。関連コンテンツは中国版TikTok(ティックトック)の「抖音(ドウイン)」で約4000万回閲覧された。

また、中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書(シャオホンシュ)」で「ベッドシェアリング」を検索すると3万7000件超の投稿が表示される。ツェンさんもここでルームメートを募集した。中には寝室、場合によっては同じベッドを共有できる相手を探す投稿も含まれている。

このような生活スタイルは、中国で約2億6000万人と推計される賃貸住宅居住者全体から見れば、なお少数派だ。それでも、こうした現象は、消費者心理の低迷が続き、特に若年層の間で雇用への不安が高まる中国経済の実情を映し出している。

米ラトガース大学のグローバル労働・雇用センターのディレクター、ミンウェイ・リウ氏は「都市への帰属意識や安定した長期雇用、将来の所得見通しを持てない若者が増えている現実を反映している」と指摘。こうした意識が広がれば、家計消費や住宅需要、婚姻率を押し下げ、中長期的に中国経済の重荷となる可能性があるとの見方を示した。

今月公表された統計では、中国の経済成長は3年超ぶりの低水準に鈍化したことが示された。輸出や工業生産は堅調だった一方、個人消費は低迷が続いている。

ツェンさんの新たなルームメートは、同じく25歳。2人はアパートに5つある寝室のうち1室を共有している。部屋には作り付けのクローゼットと大きなベッド、ナイトテーブル、小さな机が置かれ、物干しラックが鉄格子付きの小さな窓を一部ふさいでいる。

2人は同居を決める前に8日間の試用期間を設けた。現在、ツェンさんとルームメートは良好な関係を築いている。ツェンさんは「家に帰ると、誰かが待っていてくれると思えるのはいいものだ」と話した。

生活への重圧