これが大統領選ともなると、第3候補に立ちはだかるハードルは飛び抜けて高くなる。大統領選の候補は50州と首都ワシントン特別区という、全部で51の選挙区での戦いを強いられる。大統領に選ばれるためには、各州で1位当選して州ごとの選挙人を「総取り」し、全米538人の選挙人の過半数を得なければならない。

各州で1つの党しか「勝利」できないことに加えて、全国にまたがる支持が必要という点は、二大政党のような組織力がない第3候補には不利になる。いずれの政党にも属さない中道派の浮動票は約10%と、それほど大きな存在ではないという現実もある。

とはいえ、この政治システムを乗り越えられると考えたのはシュルツが初めてではない。前ニューヨーク市長で大富豪のマイケル・ブルームバーグもその1人で、過去に無所属の出馬をほのめかしたことがあったが断念した。現在は民主党からの立候補もささやかれるブルームバーグは先週、声明を出し、無所属での出馬は失敗する可能性が高いとシュルツに警告した。

第3候補の出現は大統領選の幕開け時には盛り上がるものだが、こうした候補は結局、二大政党制という崩せぬ壁に直面することになる。彼らはすぐに、巨額の選挙資金(他の候補の投入額をつり上げることにもなる)はほかに使い道があると気付くことになるだろう。

<本誌2019年2月12日号掲載>

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