専門家の見解は?

今回の日銀の利上げ判断や政権との距離感、今後の見通しを専門家はどう見ているのか。

SBI証券の道家映二・チーフ債券ストラテジストは、決定後に行われた日銀の内田真一副総裁の会見について「安全運転だった。先行きの利上げ見通しについても、それほどタカ派トーンはなかった」と指摘。「今回の利上げで長期金利が上がってしまったからだろう」と分析した。

その上で、今回の日銀の判断を受けた高市氏の心境について「高市氏は基本的に利上げ反対だったはずだ」とし、「今回も昨年12月と同様、利上げとともに長期金利が上がってしまった。低金利水準では当たり前の事象だが、利上げに反対だった首相は怒るだろう」と推察した。

今後の見通しについては「個人的には引き続き利上げ路線を進めるべきだと考える」としつつ、「米とイランの和平合意によって原油価格は急落し、今後の利上げ環境が変化する可能性もある」と語った。

農林中金総合研究所の南武志・理事研究員は、ホルムズ海峡の安全な通行にはまだ時間がかかると指摘した上で、「日銀としては、今後も手を緩めることなく物価の上振れへの警戒を続けるのが当面のスタンスだろう」と指摘。内田氏が会見の中で利上げ判断の理由の一つに景気下振れリスクの低下を挙げたことに触れ、「その認識を政府とどこまで共有できるかが注目される」と語った。

日銀と政府のコミュニケーションについては「今後物価が落ち着いてきたら、政府側が『もう利上げは不要じゃないか』と言い出しかねない」とし、「節目の1%を達成したことで、今後の追加利上げはより難しくなる可能性がある」とも述べた。

(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)

[ロイター]
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