戒厳令下での人権侵害が問題に
また、地元紙の報道によると、ミンダナオ島サンボアガ市のセルソ・レブレガト市議は「2013年にサンボアガ市の一部が(イスラム教武装組織の)モロ民族解放戦線(MNLF)に占拠される事件が起きた。もしこの時戒厳令があればあのような事態は起きなかった」と戒厳令延長への支持を表明すると同時に「戒厳令でMNLFなどの組織の武装解除も進めてほしい」と期待を示している。
しかしその一方で、このようになし崩し的に戒厳令が再延長される現状に対して、野党や人権団体は「戒厳令下で人権侵害がさらに深刻になる恐れがある」と警告を発している。
事実、ミンダナオ島では野党と関係のあるグループの元議員ら18人が少数民族支援の活動をしていたところ、治安部隊に突然身柄を拘束されるなどの事件も報告されている。
戒厳令下では軍や警察は「逮捕令状なしで身柄を拘束できる」ことから、ミンダナオ島では治安上必要という理由だけで不当な逮捕、尋問などの人権侵害が続いているといわれている。
今回戒厳令が再延長されることになったミンダナオ島はフィリピン南部でMNLFなどの反政府武装組織の活動が活発な地域とされ、ドゥテルテ大統領は、マラウィ占拠事件に乗じてこうした他の武装組織の壊滅も視野に入れているとみられている。
なによりも、ドゥテルテ大統領自身が1998年から途中間があるものの6期も市長を務めたダバオがミンダナオ島にはある。このこともミンダナオの治安を優先し、国軍・警察に超法規的権限を付与することになる戒厳令にドゥテルテ大統領が積極的な理由のひとつといわれている。

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