5月後半、日経平均株価が高値を更新しながら駆け上がっていく中で、村田製作所<6981>をはじめとする電子部品大手の株価も連日の急騰を見せました。投資家の中には、「もう十分に値上がりした」と判断して利益確定売りを出したら、さらに上値を追う展開になって驚いた人もいるでしょう。

いま、世界の電子部品株は、AIインフラ投資という歴史的な大波を受けて、その収益構造が新たな成長ステージへと転換しつつあります。

AIデータセンターが抱える死活問題

マイクロソフトやグーグルなどの「ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)」がAIへの巨額の投資をさらに加速させる中、各地のデータセンターでは、電力不足と動作の安定性という物理的な課題に直面しています。

高度な生成AIを動かす最先端のAIサーバーは、従来の一般的なサーバーとは比較にならないほど膨大な電力を消費し、基盤回路に強烈な負荷をかけます。この電力をいかに安定して供給し、ノイズを排除して回路のショートや誤作動を防ぐかが、データセンター運営における文字通りの死活問題となっているのです。

ここで欠かせないのが、電圧の安定化やノイズ除去の役割を果たす「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」という微細な電子部品です。AIサーバー1台あたりに使用される高性能MLCCの数は、一般的なスマートフォンの10〜20倍にのぼるとされており、需要が急増しています。

ゴールドマン・サックスなどの大手証券会社も、AIによって牽引される先端MLCCの需要サイクルは2030年頃まで継続する「スーパーサイクル」に入った、という見解を示しています。

村田製作所が誇る圧倒的世界シェア

世界がAIインフラ強化を急ぐ中、今後さらに需要が高まるのが、村田製作所の超高容量MLCCです。

回路上の限られたスペースに大量のコンデンサを配置する必要があるAIサーバーでは、極限まで小型化しつつ、大容量の電力を制御できる高度な技術が求められます。村田製作所は、原料のセラミック粉末の開発から精錬、成形に至るまでを一貫して自社で手がける独自の技術力を有しており、MLCCの世界シェアで他社の追随を許さない圧倒的なトップを走っているのです。

業績も拡大。電子部品株に注がれる熱い視線
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