Maria Martinez Jan Strupczewski

[ベルリン 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)のうち経済規模が大きいドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、スペイン、オランダの主要6カ国(E6)の財務相は29日、各国の主要な市場インフラに対する監督権限を、パリに本部を置く欧州証券市場監督機構(ESMA)へ段階的に移管する方針で合意した。28日にベルリンで会合を開き、対応を協議していた。欧州資本市場の統合深化に向けた大きな前進となる。

市場監督権限のEU当局への集約は、EUが進める資本市場統合計画の柱の1つ。現在、銀行預金として滞留しているEU域内市民の数兆ユーロ規模の貯蓄資金を、域内のより生産的な投資へ振り向けるのが狙い。こうした巨額資金を投資に活用できれば、EUが米国や中国との競争力を高める上で大きな追い風となる。

取引プラットフォーム、中央清算機関(CCP)、証券決済機関(CSD)に対する監督権限をEUレベルへ移す計画は、各国の既得権益が絡むため難航。特にアイルランドとルクセンブルクが強い抵抗を示し、当初はドイツも慎重な姿勢を示していた。

ただ、この問題はEUの「特定多数決制度」で決定されるため、加盟27カ国中15カ国以上、かつ域内人口の65%以上を代表する国々の支持があれば可決される。E6諸国は域内人口の約70%を占めており、今回の支持表明によって、より中央集権的な監督体制が実現する公算が大きくなった。

ドイツのクリングバイル財務相は声明で、「EU大手6カ国が国家的利害を脇に置き、共に前進する姿勢を示したことは、EU全体にとって重要なシグナルだ」と述べた。

欧州委員会は昨年12月にEU資本市場の統合を促進する包括的な計画を公表した。ドイツ政府はこの改革パッケージが年内にも採択されるとの見通しを示している。

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