Karen Freifeld
[31日 ロイター] - 米商務省は31日、中国企業の海外子会社への人工知能(AI)半導体の輸出を阻止する措置を講じた。約1年前に自ら生じさせた潜在的な規制の抜け穴を塞ぐ。この抜け穴により、半導体大手エヌビディアの最先端プロセッサー「ルービン」や「ブラックウェル」、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の「MI350x」など、世界最高水準のAI半導体が中国国外に拠点を置く中国系企業に輸出されていた可能性がある。
今回の指針は、重要なAI能力の開発に必要な半導体の中国企業への供給を断とうとする米国の幅広い取り組みにもかかわらず、米国の最先端AI半導体がマレーシアなどに拠点を置く中国AI企業の子会社に約1年にわたって流入してきた可能性を示唆している。
新たな指針は31日、商務省のウェブサイトに掲載された。
トランプ政権が規制の抜け穴を放置していた約1年間に、どれだけの半導体が輸出されたかは不明だ。半導体業界のサプライチェーン(供給網)に詳しい関係者は、数十万個に上ると推定している。
週末という異例のタイミングで発表された指針で、商務省は、中国に本社を置く企業に対しては、たとえその事業拠点が中国国外にあっても、先端半導体に関するライセンス要件を適用すると述べた。
商務省、エヌビディア、AMDはコメント要請に直ちには回答しなかった。
商務省は昨年5月、バイデン前政権末期に発出されたAI半導体への世界的なアクセスを規制する「AI拡散規則」を適用しない方針を発表。今回の抜け穴が生じた。
技術専門家で元国務省高官のクリス・マグワイア氏は31日、ソーシャルメディアへの投稿で「これは非常に大きな問題だ」とし、この抜け穴により、中国企業の海外子会社がライセンスなしでエヌビディアのブラックウェル半導体を購入できる状態になっていたと指摘。
「中国企業はおそらく、これらの半導体を大量に購入してきた」と述べた。
さらに注目すべき点として、新たなガイダンスはデータセンターに対し、これらの半導体の使用停止や、サーバーなど先端コンピューティング機器の保守サービスの打ち切りを求めていない。