Corina Pons
[マドリード 22日 ロイター] - スペイン政府は一定の条件を満たした不法移民約50万人の在留を合法化するプログラムに基づき、移民に職業を斡旋する制度を導入する方針だ。ピラール・カンセラ移民担当相がロイターに語った。
今年1月に発表されたこのプログラムは、スペイン国内と欧州全域の極右指導者から非難されていた。しかし社会労働党を中心とする連立政権は、全体的に高齢化が進む中、比較的若い労働力を確保することでスペイン経済の成長ペースが欧州の他国を上回るのに寄与すると主張している。
極右グループはこのプログラムの差し止めを求めて提訴。公共放送TVEによると、提訴を受けて22日開かれた最高裁の口頭弁論で政府の弁護人は、プログラムには当初の1カ月間で54万9596人が申請したと明らかにした。政府は既に9万1505人に仮の労働許可証を発行したという。
カンセラ移民担当相はインタビューで、政府は最大で100万人の申請に対応できると発言。政府は移民の就職を支援する計画だと付け加えた。
カンセラ氏はこの方針について、公共サービスと年金制度をより持続可能なものにする上で人道的にも経済的にも懸命な手法だと説明した。
公式統計によると、スペインが社会福祉制度を維持するには向こう10年間にわたり新たに約240万人が社会保障費を支払う必要がある。
シンクタンクのフンカスは、同国には中南米からの不法移民を中心に約84万人の不法移民が非合法的に就労していると推計している。
職業斡旋制度は、主要産業における労働力不足に歯止めをかけるため何千人もの不法移民を「影の経済」から脱却させることを目指している。
カンセラ氏はこの制度は「既に多くの場合において危険な労働条件下で、われわれの国づくりを支援しているこうした人々に秘められた可能性を活用する絶好の機会になる」と主張。彼らが正式に就業すれば「真の統合」が実現すると訴えた。
移民省は仮の労働許可証を付与された移民に対して、本人の技能や希望を確認するための調査を実施する。
政府は建設、観光、輸送、介護サービスの各業界団体を連携し、労働需要を確認して職を探している移民との間で調整を進める。