Phil Stewart

[ワシントン 21日 ロイター] - 米国がカナダとの間で年2回予定されている防衛協議の中断を決めたことを巡って米国防総省高官の1人は21日、軍事支出の増額や米国製ステルス戦闘機「F―35」の購入に関する見直しの遅れなど、カナダ政府が「信頼に足る」安全保障パートナーとなるための措置を講じていないことへの懸念が深まっているためだと明らかにした。

米国防総省は18日に1940年設立の北米大陸防衛に関する高級諮問機関、「米・カナダ永久合同防衛委員会(PJBD)」への参加を「一時停止」すると発表した。

この高官は「カナダは、北米大陸および西半球の相互防衛において信頼できるパートナーとなる軌道に乗るために必要で困難な決断やトレードオフ(何を捨てて何を選ぶか)をいまだに実施していない」と苦言を呈した。

高官は、カナダは防衛費の支出目標を現在の年間国内総生産(GDP)比2%から2035年までに3.5%へ引き上げるための財源に裏打ちされた計画が必要な上、F―35を88機購入する計画に関する見直しを長期間遅らせていると主張。その上で軍事的な即応性よりも政治を優先していると非難した。

F35購入計画見直しは昨年9月ごろまでに終える予定だったが、貿易問題を巡る米国との緊張の高まりや、カナダが購入機数を削減して一部をスウェーデンのサーブ製戦闘機「グリペン」に切り替える可能性が示唆される中で、完了していない。

高官は「カナダ政府による現在進行中のF―35購入計画見直しに関する遅延と透明性の欠如は、北米の防衛というわれわれの共有された責任よりも政治を優先させている一例に過ぎない。国防総省は、この見直しの迅速な終結を歓迎する」と語った。

カナダ政府は、コメントの要請に応じていない。一方、カーニー首相は19日、米国防総省によるPJBD参加停止決定について記者団に「この件の重要性を過大評価すべきではない。われわれは米国と多方面で非常に緊密な防衛協力を展開している」と述べ、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)への米加共同参加を例に挙げた。

米国防総省の高官も、PJBDの中断がNORADの運用に影響を与えないことを認め、同司令部を「米国およびカナダの本土への北方の接近路を確保するために不可欠な存在」と説明。それでも両国双方にとって利益となるかは、カナダが相応の貢献をする能力があるかどうかにかかっているとくぎを刺した。

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