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[15日 ロイター] - 米国で今週発表された経済指標でインフレが進んでいることが示されたことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内にも利上げに転じるとの見方が強まった。CMEフェドウォッチによると、来年1月の連邦公開市場委員会(FOMC)までに政策金利が0.25%ポイント引き上げられる確率が約60%に上昇したほか、今年12月にも利上げが実施される可能性は五分五分。ウォーシュ次期FRB議長は難しい舵取りを迫られる。

FRBは昨年12月以降、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置いてきた。インフレ率はFRBが目標とする2%を上回り続けているものの、FOMC声明では次の一手は利下げになる可能性を示唆する文言が維持されている。ただ、政策スタンスの変更を求める当局者は増えており、直近の4月28─29日のFOMCでは3人の当局者が金利据え置き自体には賛成したものの、FOMC声明に緩和バイアスを盛り込むことは支持できないとして政策決定に反対票を投じた。

今週発表の経済指標では、4月の米消費者物価指数(CPI)が前年比3.8%上昇と、2023年5月以来の大幅な上昇となったほか、4月の卸売物価指数(PPI)は前年比6.0%上昇と、22年12月以来の大幅な伸びとなった。このほか、3月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比3.5%上昇。伸びは2月の2.8%から加速し、23年5月以来の大きさだった。

いずれも近い将来の利下げを支持する材料にはならず、物価上昇圧力がエネルギー価格にとどまらず、他の部門にも広がりつつある可能性を示唆。バンク・オブ・アメリカのアナリストは「インフレ加速と、消費と企業収益の拡大を背景に、市場の見方はスタグフレーションからリフレーションへと転換している」としている。

経済指標が示すもののほか、市場におけるFRBの対応に対する見方が大きく変化していることで、15日に任期が了したパウエル議長の後を引き継ぐウォーシュ氏は難しい対応を迫られるとみられる。ウォーシュ氏はトランプ大統領が指名。トランプ氏は利下げを強く求め続けており、利下げに動かないパウエル氏を非難してきた。ウォーシュ氏のFRB議長就任は今週、上院で承認されたが、宣誓式の日程はまだ決まっていない。

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