サンヨーはパナソニックによる完全子会社化を経て、2012年に白物家電事業をハイアールに売却。シャープは現在、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下、東芝は中国の美的集団傘下のブランドとなっている。

日立は4月、家電量販店大手ノジマへの白物家電事業売却が発表されたばかりだが、それ以前から家電事業縮小化の方向にビジネスモデル転換を進めていた。かつて総合家電メーカーだったソニーも同様だ。

「ものづくり」という言葉も、最近は耳にする機会がめっきり減った気がする。「職人精神」や「匠の技」が盛んに強調されていたが、ものづくり大国ニッポンの復活は諦めたということだろうか。

安さだけではないハイアールの強さの理由

日本の家電産業が弱くなった理由については、各所で分析されているので、改めて言及することもないだろう。ただ、ハイアールの強さについては、単に巨大な国内市場を糧に成長し価格競争で勝ち抜いてきた、というだけではないことを伝えておきたい。

ハイアールは創業初期から世界制覇のビジョンを掲げ、張瑞敏(チャン・ロイミン)CEO自らハンマーで「不合格」の自社製冷蔵庫を壊すなど、品質向上に努めてきた。トップダウンで決断が早く、消費者のニーズに合わせて多様なモデルを開発し、少量多品種の製造を行ってきたという。

うちの息子もいつか1人暮らしをしたら、安くて品質も申し分ないハイアールの家電を選ぶかもしれない。

こうしたハイアールの戦略は決して目新しいものではないが、日本のメーカーが学べる点もあるかもしれない。もちろん、それらを模倣しただけで日本の家電が復活するほど甘くはないだろうが。

製造業の国外移転で空洞化したアメリカ
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