現在、家電の世界王者は中国のハイアール。日本は「ものづくり大国」復活を諦めたようにも思えるが、本当にそれでよいのか。
冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった白物家電で、世界シェア1位がどのメーカーかご存じだろうか。
答えは、海爾(ハイアール)集団。1984年、山東省青島で創業した中国の家電メーカーだ。日本のお家芸だった家電産業が凋落して久しいが、現在は中国企業が世界1位であることを知らない読者は意外と多いのではないだろうか。
このゴールデンウイーク、ハイアールは六本木の東京ミッドタウンでイベントを開催していた。
私は初日に開かれた式典を取材したが、日本市場参入24年目の今年、日本での家電販売台数が累計3300万台を超えたほか、昨年秋にはヨーロッパの2つの名門サッカークラブとパートナーシップ契約も締結し、世界1位の自信にあふれたイベントだった。

ゴールデンウィークの初日、東京ミッドタウンで開催された式典 写真:周来友
こうした状況を見ると、全く隔世の感がある。その昔、家電と言えば日本だった。中国人にとっても日本の家電を持つのがステータスだったのだ。
ほとんど生き残っていない日本の家電メーカー
40年ほど前、北京の実家ではテレビは日立、洗濯機はサンヨー(三洋電機)、冷蔵庫はシャープだった。父が軍医だったこともあり、いま振り返っても恵まれていたと思う。
さらに私は、当時はまだ誰も持っていなかったソニーの「ウォークマン」を、友人の日本人留学生に頼んで買ってきてもらっていた。中国の一般労働者の年収に相当する金額だったと記憶している。TDKやマクセルのカセットテープに録音した山口百恵やアグネス・チャンの曲を、ウォークマンの素晴らしい音質で楽しんだ。
そんな優れた製品を生み出してきた日本の家電メーカーは、今どの程度生き残っているのだろうか。