[ロンドン 14日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は14日、イラン戦争に起因するインフレ圧力が英国経済に定着するリスクを回避するため、「迅速かつ控えめな」利上げが有効との見解を示した。
ピル氏はナットウエスト銀行主催のイベントで、「市場に動かされてから対応するのを待てば、より積極的に行動する場合よりも中銀にとってより多くの課題が生じる可能性がある」とし、政策当局者は金利をできるだけ早く引き上げるべきかを検討する必要があるとの見方を示唆。
その上で「迅速かつ控えめな」措置を講じることで、総合インフレ上昇に対する企業や労働者の反応に影響を与えることができると述べた。
また、エネルギー価格上昇に伴うインフレを受けて企業が値上げに踏み切ったり、労働者が賃上げを求めたりする「二次的効果」のリスクについてピル氏は、足元で労働市場が弱含んでいることを踏まえると、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後よりも小さくなる可能性が高いと指摘。ただ、二次的効果を伴わなかった08年や11年の原油価格高騰時ほど労働市場が緩んでいるかどうかは明確ではないとの見方も示した。
イラン戦争に起因するインフレ懸念に加え、スターマー英首相への退陣圧力を背景に、長期ゾーンの英国債利回りがここ数日で約30年ぶりの高水準に上昇していることについては、英中銀は経済への圧力の一部を相殺したいと考えるかもしれないが、市場金利の上昇がインフレ懸念に起因するものであればその限りではないとの考えを示した。