Michel Rose

[パリ 13日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が13日発表した第1・四半期の失業率は8.1%で、コロナ禍に見舞われた2021年以来の高水準になった。マクロン大統領がこれまで熱心に推進してきた雇用改善の取り組みが水泡に帰す恐れが出てきている。

17年に政権を握ったマクロン氏は、数十年にわたって高止まりしていた失業率の押し下げを約束し、法人減税や労働規制緩和、職業教育制度の拡充などを打ち出した。

これらの改革が当初は奏功し、23年初めに失業率は40年ぶりの低さを記録。さらにマクロン氏は2期目の終わりまでに「完全雇用」に近い約5%の失業率を目指すと表明していた。

しかし第1・四半期の失業率は、こうしたマクロン氏の主要な経済的実績の一つを損なう危険をはらんでいる。

背景には、他の大半の欧州諸国と同じくフランスが米国の関税や中東紛争に起因するエネルギー高、観光需要低迷といった対外的ショックに見舞われ、実体経済が悪化しているという事情がある。

ファランドゥ労働相は「特にイランでの戦争によって経済環境が厳しくなっている以上、失業率上昇は予想された」と語った。

エコノミストの1人も「第1・四半期がゼロ成長だった点からすれば、雇用面での奇跡を期待すべきでない」と指摘した。

ただフランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は、労働市場はユーロ圏債務危機後など過去の景気下降時よりも耐性が高まっているとの見方を示した。

ビルロワドガロー氏は、12年以降の減速局面で失業率は10%を超えていたが、今は8%前後だと強調。社会党のオランド政権時代の15年に記録した過去最悪の10.5%も依然として下回っていると付け加えた。

INSEEによると、過去5四半期における失業率上昇の約半分は、最低福祉手当の受給者に失業者としての登録を義務付ける法律に関連した統計上の影響によるものだという。

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