左派が絶賛のデザイン
この帽子、3月初旬からカールソン・グッズの販売サイトに登場したもので、年初にニューヨーク市長となった社会主義者でイスラム教徒のゾーラン・マムダニを揶揄するものと思われる。本来ならカールソンの熱心な支持者(陰謀論者や都会嫌いの人)が大喜びしそうな一品だ。
ところが、意外や意外。カールソンが新たに立ち上げたファッションブランドの情報がネット上に広まると、この帽子に食い付いたのは左派の若者たち。「ニューヨーク市は共産主義だ」と言わんばかりのロゴが、反逆精神旺盛な人たちに受けたらしい。
あるX(旧ツイッター)ユーザーは「カールソン・グッズをデザインしているのは誰だ?」と興奮気味に投稿し、多くの商品をスライドショーで紹介した。そこにはソ連風の「NYC」シリーズに加え、「ニコチン大好き」「心理戦評論家」などのロゴを入れた帽子が並んでいた。
この投稿はあっという間に拡散され、1万5000件の「いいね」を集めた。「格好よすぎる。すげえ」というコメントもあった。カールソンの主張を支持するのは都会嫌いの人たちだが、彼のファッションは都会派の左翼に受けたようだ。
なぜだろう? 私の思うに、まずは打ち負かした相手の政治的シンボルを身にまとうことに伴うゆがんだ快感がある。カールソンが何と言おうと、マムダニが市長選を制したのは事実。勝利の美酒に酔えばこそ、敗者の帽子をかぶって笑っていられる。
一方で今のカールソンは、トランプべったりでタカ派の反動勢力、とりわけイスラエルとの同盟関係を無条件で支持する人々から距離を置こうとしている。実際、彼のグッズには親イスラエルのロビー団体が裏で政治を操っていることを示唆するイラスト入りのマグカップや、親イスラエルで知られるリンゼー・グラム上院議員がアメリカの利益を損なっていることを皮肉ったロゴ入りの野球帽などもそろっている。
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【note限定公開記事】【なぜ?】陰謀論や極右思想を吹聴するタッカー・カールソンの帽子が左派の若者に人気
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