Miho Uranaka
[東京 8日 ロイター] - 三井住友トラストグループ(SMTG)は、航空機リースを対象とする第3弾ファンドを組成し、約5億ドルの資金調達を目指す。新ファンドでは、国内中心だった販売先を中東・アジアにも拡大し、海外投資家向けプライベートアセット事業を本格展開させる考え。コロナ後の需要回復と機材供給制約を背景に投資マネーが流入する市場に国内勢の参入も相次ぐ中、グローバルな資金調達基盤の構築を図る。
三井住友信託銀行の航空機ファンド責任者である三船健ストラクチャードファイナンス部アセットファイナンスチーム長が明らかにした。
新ファンドは、三井住友信託銀とアラブ首長国連邦の独立系航空機リース会社ノヴァス・アヴィエーション・キャピタルと共同で立ち上げる3号ファンド。エアバスやボーイング製の機体を取得し、世界の航空会社向けにリースするオペレーティングリース型の投資商品となる。
両社は2016年に第1号(約2億ドル)、19年に第2号(約3億ドル)を組成し、コロナ禍では新規組成を見送っていたが、第1号ファンドの回収が順調に進んだことから再始動を決めた。三船氏は「コロナ禍という前例のない環境下でも、既存ファンドは強い耐性を示しリターンを確保した。今回のファンドは、長期的な航空市場の成長と投資需要の拡大をさらに取り込むものだ」と語った。
金利上昇を背景に投資家の期待リターン水準が切り上がる中、目標内部収益率(IRR)を従来の10%から15%に引き上げる。SMTGはバランスシートに依存しないアセットマネジメント事業の強化を掲げており、航空機ファンドを 海外投資家向け非上場資産(プライベートアセット)運用事業展開の足掛かりと位置づける。
コロナ後の旅客需要回復とエアバス・ボーイングの供給制約により機材不足に直面する航空会社が長期リース契約を受け入れ、安定キャッシュフローを生む資産として航空機リース市場への投資マネー流入が加速している。三井住友信託銀によると、市場規模は2030年までに約3200億ドルに拡大する見通し。
国内でも、日本政策投資銀行系のマーキュリアホールディングスと大和証券グループ本社がファンド設立の方針を公表したほか、SMBCグループやオリックスなども航空機リース事業を強化、外部投資家向け投資機会の提供や資産流動化などの検討を進めている。