Ritsuko Shimizu

[東京 7日 ロイター] - 味の素は7日、2027年3月期の連結純利益が前年比10.9%減の1200億円になるとの見通しを発表した。前期に計上した本社ビル(土地や建物)の売却益406億円が剥落するため減益となる。電子材料、調味料や食品など各事業での成長を計画しており、売上高、事業利益は前年に続き過去最高を見込む。

純利益予想はIBESがまとめたアナリスト14人の予想平均値1395億円を下回った。

想定為替レートは1ドル=150円。年間配当は2円増配の50円を計画している。

連結売上高は同8.8%増の1兆7230億円、事業利益は同8.7%増の1970億円を見込む。

中東情勢の影響は、業績予想に織り込んでいない。1ドル=158円、原油価格が1バレル=110ドルで期初から期末まで推移するとした場合、原材料高、燃料高、輸送コスト増などで300億円規模(事業利益段階)の影響が生じる可能性があると指摘。中村茂雄社長は会見で「機動的な対応を講じることにより、業績への影響を最小限に抑制していく」と述べ、調達の多様化やコストダウン、値上げなどで対応する考えを示した。特に包材はコスト上昇が避けられず、自助努力で吸収できない場合には、最終商品の値上げも検討することになる。中村社長は「300億円程度なら打ち返せる。ただ、調達面でもリスクが出た場合には、適宜アップデートする」とした。

<半導体材料で新工場用地取得へ>

同日、連結子会社の味の素ファインテクノ(AFT)が岐阜県可児市の可児御嵩インターチェンジ工業団地に新工場用地を約12億円で取得すると発表した。半導体パッケージ向け層間絶縁材料、味の素ビルドアップフィルム(ABF)を生産する。川崎(本社工場)、群馬工場に続く第3の生産拠点と位置付け、2028年に着工、32年の稼働開始を予定している。

2030年以降の半導体市場成長を見据え、生産能力拡大による供給体制強化を図るほか、本社工場や群馬工場から一定距離離れた立地で生産拠点を確保する。

英ファンドのパリサー・キャピタルは3月、味の素の上位25位以内の株主となったことを明らかにした上で、ABFを30%超値上げして株価の引き上げにつなげるよう求めた。

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