[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は6日、妥結賃金データに賃上げ圧力は見られないものの、インフレ圧力は高く、ECBが利上げする可能性が高まっているとの認識を示した。

ユーロ圏のインフレ率は4月に3%に上昇し、一段の加速が見込まれている。政策当局者は、長期の物価予想が上昇したり、賃上げ要求が急激に強まった場合は利上げが必要になるとの見方を示している。

チポローネ氏はミラノでの講演で「現在の状況は3月に示したベースライン予想から乖離(かいり)しつつあるようで、政策金利の調整が必要になる可能性が高まっている」と述べた。

インフレ期待は目標近辺で安定しているものの、2022年のロシアによるウクライナ侵攻当時のエネルギーショックの記憶がまだ新しく、インフレ期待が従来より速いペースで調整される可能性があると指摘した。

<賃上げ要求はまだ高まらず>

米・イスラエルのイラン攻撃後、これまでのところ賃金圧力の高まりは見られない。ただ市場は3回の利上げを予想し、最初の利上げは7月までに行われると見込む。

チポローネ氏は、中東紛争の経済的影響は、供給不足で工業生産が抑制されるなど、これまでに経験した規模をはるかに上回る可能性があると指摘。

「欧州のジェット燃料や灯油の備蓄は5月末までに枯渇し始める可能性がある。コロナ禍の時のように、いくつかの産業活動が大幅に制限される事態となる恐れがある」と述べた。

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