Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、今年3回目となる利上げを実施した。政策金利はコロナ禍後の最高水準に戻った。中東紛争が世界的な石油ショックを引き起こす中、インフレが高止まりすると警告した。
中銀は政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げて4.35%とした。これで2025年に実施した3回の利下げを全て取り消した格好となる。理事会の採決は8対1で利上げが支持され、5対4の僅差で利上げを決定した前回3月会合からタカ派方向にシフトした。
中銀は声明で「燃料価格の上昇がインフレを押し上げており、より広範な財・サービス価格に二次的影響を及ぼす可能性が示唆されている」と指摘。「インフレ率は当面、目標を上回る水準にとどまる見通しで、インフレ期待を含め、リスクは依然として上振れ方向にあると理事会は判断した」と述べた。
同時に、3回の利上げを踏まえ「金融政策は今後の展開に対応できる良い位置にある」とも強調し、当面は利上げを一時停止する可能性を示唆した。
燃料費の高騰を背景に3月のインフレ率が4.6%に上昇したことを受け、市場では利上げ確率が80%織り込まれていた。燃料など変動の激しい項目を除いたコアインフレ率の指標トリム平均値も、中銀の目標レンジ(2─3%)を上回る水準にとどまった。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では33人中30人が今回の利上げを予想していた。
利上げがほぼ織り込み済みだったことから、豪ドルは小幅安の0.7162米ドル、3年物国債先物価格も95.33とほぼ変わらず。
市場は8月の4.60%への追加利上げ確率を80%と見込んでおり、9月までの利上げは完全に織り込んでいる。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアの経済調査責任者ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「国内外のインフレ圧力が重なり、中銀は今回、利上げ以外にほとんど選択肢がなかった」と指摘。その上で「今後の金利見通しは主にホルムズ海峡の状況に左右される」とし、同海峡の事実上の閉鎖が長期化すれば「中銀はインフレとインフレ期待を抑制するため年内に複数回の利上げを迫られるだろう」と述べた。