[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は5日公表した四半期金融政策報告で、インフレ見通しを大幅に引き上げる一方、経済成長と雇用の見通しを下方修正した。
インフレ率は5%前後でピークを迎えると見込み、低調な経済成長が今後2年にわたり続くと予想した。
RBAは今回の報告で、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖が長期化し、船舶の航行再開が2027年第1・四半期以降になると想定した2つの悪化シナリオについても検討。ホルムズ海峡が近く再開されると想定した基本シナリオについて「世界のエネルギー供給の混乱は基本予測で想定していたよりもはるかに長期化する可能性がある」と指摘した。
「不確実性の高まりを受けて家計や企業が支出を予想より大幅に削減すれば、経済に余剰生産能力が生まれ、インフレ率がより早期に目標に戻ると予想される」とも述べた。
RBAは中東紛争により国内燃料価格が約3割上昇したと指摘した。ただ、最新の指標で実質家計所得の急激な減速や需要の弱まりは示唆されていないとした。
今回の報告では、年内に政策金利を60ベーシスポイント(bp)引き上げて4.70%とする技術的な想定を採用した。
第1・四半期に4.1%だった消費者物価指数(CPI)は第2・四半期に4.8%と、中銀の目標レンジ(2─3%)を大きく上回る水準でピークに達すると予想。ブレント原油価格が1バレル=100ドル前後で推移することを想定している。
中銀が注視する基調インフレ率は現在の3.5%から6月までに3.8%に加速した後、経済成長と労働市場の軟化に伴い2028年半ばまでに2.5%に低下すると見込んだ。
借り入れコストの上昇と地政学的な不確実性を背景に、経済成長率は年末までに従来の1.8%から1.3%へとトレンドを下回る水準に減速すると予想。家計消費と企業投資の低迷が主な下押し圧力になるとしている。
労働市場はさらに減速し、失業率は年末までに4.7%でピークに達すると見込み、従来見通しの4.3%から大幅に修正した。
ブレント原油価格が145ドルまで上昇するという悪化シナリオでは、国内総生産(GDP)は0.5─0.8%程度下振れし、失業率は5.1%でピークに達する可能性があるとした。