<地震と津波で甚大な被害を受けたスラウェシ島で今度は火山が噴火。日本と同様の火山国のインドネシアは全国に130の火山があり、そのうち14は活火山だ>
インドネシアのスラウェシ島北部北スラウェシ州都マナドの南約50キロメートルにあるソプタン山(1830メートル)が10月3日午前8時47分(日本時間同日午前9時47分)ごろ噴火した。国家災害対策庁(BNPB)によると、噴煙は火口から上空4000メートルに達しているが、同山周辺は居住者がほとんどいない地域であることなどからこれまでのところ人的被害は報告されていない。
9月28日に中スラウェシ州の州都パル周辺を襲ったマグニチュード7.4の大規模地震と津波による犠牲者は3日の時点で1407人に達しているが、この地震の震源地とソプタン火山は約400キロメートル離れている。このため地震と火山噴火の関連性ははっきりとは分かっていないものの、BNPBはこれまでのところ火山活動と地震に間には「関係がない」との見方を示している。
BNPBでは以前からソプタン山には上から2番目の警戒警報を出していたことや周辺に集落などがないことから「人的を含めて被害の報告はこれまでのところ受けていない」と被害がないことを強調している。
インドネシアで相次ぐ火山噴火
インドネシアは日本と同様の火山国で全国に130の火山があり、そのうち14の火山が活火山である。3日のソプタン山の噴火に加えて、8月3日にはスマトラ島南とジャワ島西の間にあるスンダ海峡のアナック・カクラカタウ火山が49回連続の噴火を記録した。
このほか、世界的な観光地であるバリ島では同島東部のアグン山(3014メートル)は2017年9月に大規模な爆発を起こし、バリ国際空港が一時閉鎖されるなど観光業に打撃を与えた。アグン山はその後も2018年6月28日、7月2日、7月9日と噴火が続いている。しかし観光地や国際空港がある地域と離れていることから火口周辺への立ち入りを制限するだけで、観光業への影響を最小限に留めようとしている。
また、スマトラ島の北スマトラ州にあるシナブン山(2460メートル)は2010年に水蒸気爆発を起こし、2018年2月19日には噴火するなど活発な火山活動が続いている。
首都ジャカルタのあるジャワ島では中部ジャワ州のムラピ山(2930メートル)が2010年10月に大噴火し、火砕流で322人が犠牲となっている。その後も活動が続き2018年5月11日の噴火では火口から上空1万3000メートルまで噴煙が上がった。
7月29日に発生した地震の被害で500人以上が死亡し、今なお多数の被災者が避難所生活を続けているバリ島の東隣の観光地ロンボク島にはリンジャニ山(3726メートル)という活火山があり、モルッカ諸島にあるマララ山(1715メートル)も活火山として警戒されている。
海外の支援、救援の受け入れ表明
こうした火山大国であるインドネシアではあるが、地震や津波に対する警戒、防災の対策はほとんどないか、あっても機能していないのが現実で、政府や関係機関の対策、対応は後手になるのが常態化している。
多くの地震、津波の被害者を出した2004年のスマトラ島沖大地震津波以降、地震津波の予知、緊急対策、防災教育などを日本などから導入、学んだ被災地アチェ州ではそれなりの体制ができているといわれるが、インドネシア全体となると、海外から導入された地震計や潮位計などの機器のメンテナンスができておらず、故障したまま、あるいは電池切れのままの状態で放置されていることが多いと日本の援助団体関係者口を揃える。
相次ぐ自然災害にジョコ・ウィドド政権は対応に苦慮している。9月30日に続いて10月3日も被災地パルを訪問して現地の状況を把握するとともに被災者の慰問も行いながら、とにかく行方不明者の捜索と同時に被災者への水、食料の配布に全力を注ぐよう政府関係機関に激を飛ばしている。
ロンボク地震の際は観光産業への影響が深刻化することへの配慮から海外からの支援を受け入れなかったとされるジョコ・ウィドド大統領だが、今回の中スラウェシ州の地震津波は海外からの救援、支援を受け入れる姿勢をすでに表明している。
これを受けて日本政府は航空自衛隊のC130輸送機などを派遣する方向で最終調整しており、インドネシア側は自衛隊機による救援物資や機材の輸送、負傷者などの輸送に期待を示している。

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